■グローバルなメーカーを共に創っていける人

―当社の今後の成長戦略をどうなるのでしょうか。

渡邊 将来展開としては、まずグローバル化があります。

―いよいよ海外進出ですか。

渡邊 残念ながら国内は少子高齢化が進み、人口が減ることは確定した未来です。一方で海外に目を転じれば、人口は70億人を超えて増加中。人がたくさんいるところには必ずビジネスチャンスがあります。

―具体的な進出先は決まっているのでしょうか。

渡邊 そこまで決めているわけではありません。ただグローバル化を意識していないと、チャンスを見過ごします。世界に出るときにはメーカーとして打って出ます。

―メーカーとしてというのは?

渡邊 現状は素材メーカーですが、加工屋さん的要素もあります。メーカーというのは、より付加価値の高い製品を作り出すことです。

―業態転換を図り、顧客も変えてしまうということですか。

渡邊 既存のお客様に対しては、より強固な関係作りをめざします。例えば我々が企画開発した商品を、現状の我々のお客様のノウハウも使って作ってもらうのも一案です。そうして脱加工屋を図ります。

―お客様と新しいパートナーシップを築くわけですね。

渡邊 企業は生き物です。常に新陳代謝を続け永続的に発展していかないと、社員に働きがいを提供することも、確実に利益を得ることもできません。

―利益をしっかり稼いで、世の中の役に立つ会社を目指す。

渡邊 理想は「自分の子どもを入れたいと思う会社」です。

―子どもを入れたい会社ですか。

渡邊 親が子どもの幸せを誰より願うのは当然のことです。その親が子どもの就職先を考えたときに、どこを選ぶのか。自分がいま働いている会社が最高だぞ、と自信をもって言える会社にしたいのです。

―それが全従業員の物心両面の幸せを追求することなのですね。

渡邊 まず物質的に豊かになれることが一つ。加えて働きがいがあること、すなわち仕事を通じて世の中に役に立っていると実感できること。この二つが両輪として回っているような会社でありたい。そういう会社を一緒に作っていける人材を求めています。

―最後に就職活動に励む学生に何かアドバイスをお願いします。

渡邊 就職活動は縁です。いまは超氷河期と言われるほどの就職難で、内定を得ることも難しい。しかし、仮に何社かを落ちたからといって、自分が否定されているわけでは決してありません。

―その時、その会社を受けに来た人の中での順位がたまたま合格ラインより下だったということですね。

渡邊 その通り。それよりも就活を、自分を見つめ直す絶好の機会と捉えてください。自分がどういう人間なのか、どんな人生を歩みたいのか、大事にしていることは何か。自分の人生観、価値観、就労観に合う会社を探してエントリーして欲しい。

―価値観が合う会社を選ぶことがキーポイントだと。

渡邊 同じ業種でもA社とB社ではまったく価値観が違っていたりします。それよりは自分の考え方をしっかり決めて、それに合う会社を探した方が良いと思いますね。

―ありがとうございました。